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工学的安全性:AutoStore は倉庫の在庫品を火災からどのように守っているか

グローバルなサプライチェーンへの負担が大きくなる中、電子商取引は爆発的に増加しており、倉庫の効率を最大限にすることがこれまで以上に重要になっています。自動倉庫システム(Automated Storage and Retrieval System:ASRS)のようなソリューションは、配送時間を短縮したいと考える多くの倉庫所有者に解決策を示してくれます。しかし、何より重要なのは施設の安全性を確保することです。安全性が確保されなければ、自動化への投資は失敗に終わる可能性もあります。

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AutoStore は、当社のお客様にとってリスク回避が最優先であると考えます。そのため、火災の安全性を重視しています。戦略的な設計、綿密な試験、継続的な教育を通じて、システムに最適な防火オプションを特定しました。

AutoStore は製品の安全性をどのように確保しているか?

AutoStore の製品には、次のように火災時の安全性が組み込まれています。

  • ビンは直接積み重ねられ、頑丈な壁で覆われています。火災はグリッドの外側から発生する可能性が高いのですが、AutoStore は、システム内の空気の量を制限して火災成長速度を遅くするように設計されています。また、炎が垂直に広がるようにします。これは火災の拡大を抑制するうえで非常に重要です。炎が天井に向かって大きくなることでより早い段階で天井取付型スプリンクラーが作動するからです。
  • AutoStore ロボットは金属と難燃性素材で構成されています。また、火災を検知した場合は、直ちに作業を中断して指定された場所に移動し、鎮火されて作業が再開可能になるまで待機するようにプログラムされています。
  • AutoStore 火災試験では、天井取付型スプリンクラーが優れた防火手段であることが証明されました。大きな利点のひとつとして、グリッドの煙道は、システム最下層への水の浸透を最大化し、垂直方向に素早く熱を放出し、火災時のビンの崩壊を防ぐように設計されています。

AutoStore が使用している第三者機関のテストプロトコル

AutoStore は、独立した第三者機関による試験と認証を通じて、システムの安全性を保証しています。倉庫内で発生する火災の主な原因は電気面での問題です。そのため、AutoStore は、国際電気標準会議(IEC)の「IEC電気機器安全規格適合性試験制度(IECEE)」のガイドラインを遵守しています。

効率性、製品安全性、ROI、信頼性、柔軟性

これらはすべて、倉庫自動化での研究と投資を行う際に考慮すべき重要な事項です。ベンダーへの質問では、倉庫自動化ソリューションのベンダーに尋ねるべき質問と、それがなぜ重要なのかを説明します。
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AutoStore が実施した火災安全試験

2009年以来、AutoStore は、火災発生時にシステムを保護するための最良の戦略を策定するために、100を超える小規模、中規模、大規模火災テストを実施してきました。泡、低酸素空気、制御モード、早期制圧速動型(ESFR)スプリンクラーなどの保護オプションがテストされ、その有効性が示されています。

AutoStore が消防士と協力して防護方法を開発

スプリンクラーはなくてはならないものですが、実際に炎を消すのは消防士であることは誰もが知っています。AutoStore システムは密集しており、通路もないため、緊急時に消防士が移動するのは困難です。そこで AutoStore は、システム内の消火方法について、第一対応者と直接協力しています。

2020年10月、AutoStore は、アメリカ保険業者安全試験所(Underwriters Laboratories Inc.:UL)と協力し、はしご車にある日常的な機器を使用して、グリッドの分解とビンの取り外しを安全かつ効率的に行う方法を開発しました。プロジェクトの初期には、専門家との議論や、AutoStore システムの紹介、分解方法の開発などが行われました。

これまでの火災試験では、分解時にグリッドとトップトラックが安定することが確認されています。これは安全上非常に重要です。AutoStore はULと共同して、外側の中密度繊維板(MDF)パネルからアクセスできる方法を開発しました。

数回の試行錯誤の末に選ばれたのはMDFによる方法で、解体時の落下物の危険性を低減し、これにより消防隊員が安全に火元を特定・排除できることが確認されました。開発した方法の検証では、全米から19名の消防士を招き、火災試験のシナリオ作成に参加してもらいました。

事前の AutoStore の火災試験で、天井取付型スプリンクラーが火災を制圧・抑制することはすでに証明されましたが、AutoStore としては、最終的な消火を可能にする方法を徹底的に把握したいと考えました。そこで2022年初頭、最大30フィート(9.1メートル)の高さに天井取付型スプリンクラーを設置する構想に着手し、スプリンクラーの配置に応じた3つの異なる発火位置で、完全消火を達成しました。一連の試験では、発火は床レベルで、発火源に隣接する3つのセルが部分的に充填されました。

発火源上では、3つの模擬ロボットが、部分的に充填された3つのセルに対応しました。発火源は、4つのスプリンクラーの間、2つのスプリンクラーの間、1つのスプリンクラーの下とされました。結果、3つのシナリオすべてで最終的な消火が達成され、手動での追加の介入は不要となりました。すべてのシナリオで、システムへの損害は最小限に抑えられました。

まとめ

電子商取引は依然として盛んですが、グローバルなサプライチェーンの危機が今後も続くことは明らかです。倉庫の所有者は、倉庫の迅速性、俊敏性、生産性を高く保つために革新的でなければなりませんが、スピードが安全性を犠牲にするようなことがあってはなりません。

自動倉庫システムに移行する場合は、開始前に火災安全計画を必ず策定しましょう。あらゆる種類の火災シナリオで機器をテストし、従業員と現地の第一対応者の両方が最適な消火方法を十分に理解しているようにする必要があります。

戦略的な設計、綿密な試験、継続的な教育を通じて、AutoStore は、システムに有効な最適な防火オプションを特定しました。

Ingunn Haraldseid
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