AutoStore導入でオンライン販売を強化

顧客基盤の変化により、スポーツ用品サプライヤーであるDirect Soccerは、需要への対応に苦慮していました。パンデミック後の市場で競争力を維持するための手段を求めていた同社は、倉庫自動化企業のAutoStoreに着目しました。

スコットランドのダンディーを拠点とするDirect Soccerは、サッカーのチームウェアを手掛ける英国有数のサプライヤーであり、先駆者でもあります。スポーツウェアの販売とプリントや刺繍の自社サービスを組み合わせることで、プロやアマチュアのサッカークラブだけでなく、個人の買い物客の間にも根強い顧客基盤を確立しています。

最近まで、新しい技術トレンドや顧客ニーズの変化に対応する能力が、同社の大きな強みとなっていました。Direct Soccerは、オールインワンサービスの利便性に加え、英国のスポーツウェアサプライヤーとして初めて、個人向けのオンライン注文への対応を開始しました。

しかし、新型コロナウィルス感染症（COVID-19）により大口顧客の需要が減ってきたとき、同社は競争力の維持には状況への適応が必要と考えました。解決策を探し始めた同社にとって、あるひとつの選択肢が、求めていたものすべてを提供してくれるように思えました。その選択肢とは、自動倉庫システムです。

課題

Direct Soccerのビジネスモデルの成功により、創業者のBryce GibsonとJoyce Gibson夫妻は2019年に既存の倉庫の床面積を3倍に拡大しました。動きとしては悪くなかったのですが、不運なタイミングでした。

「私たちのオンラインビジネスは、クラブと個人の両方に対応しています。COVID-19によるロックダウンが開始された当初、クラブ側からの引き合いが途絶えたため、私たちはマーケティングの焦点を個人に移しました」と、Bryce Gibson氏は振り返ります。「“stay safe, stay home, keep training"（安全にステイホームしてトレーニングを続けよう）をキャッチフレーズに、Direct Soccerの姉妹サイトであるExpress Football Kitsを通じて、この市場へのレジャーウェアの供給を増やしました。このサイトは、限定的な個別化と翌日配送により、急速に成長しました」。

新しい戦術は、Direct Soccerがパンデミックに伴う経済的不安を乗り切るのに役立ちましたが、既存の倉庫システムは、迅速なオーダーフルフィルメントと個々の購買嗜好に対応できるものではありませんでした。

YouTubeで倉庫自動化ソリューションを検索していたGibson夫妻はAutoStoreを発見しました。変化する顧客基盤とのつながりを方向転換し、維持するために必要なものを見つけたと判断するのに時間はかかりませんでした。

AutoStoreシステムのメリット

Direct Soccerチームは、AutoStoreが提供する倉庫自動化技術が、彼らの緊急の要件を満たし、それを上回るものであることをすぐに認識しました。

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ひとつは、AutoStoreが保管ビンを垂直に重ねるグリッドシステムに基づいているため、他の選択肢よりも倉庫スペースを効率的に利用できることです。実際、AutoStoreシステムは、従来の倉庫技術に比べて最大4倍の保管容量と10倍のパフォーマンスを提供します。

さらに、AutoStoreシステムはモジュラー設計であるため、必要に応じてオーダーフルフィルメント業務の規模を拡大または縮小できます。これは、繁忙期への対応が必要となるeコマース企業にとって極めて重要な資質です。最後に、エラーを減らし、システムの応答時間を速めることを可能にするAutoStoreは、リードタイムの短縮と処理能力の向上という同社の目標に合致していました。

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Direct Soccerは、納品の迅速さにも満足していました。新しい自動倉庫システムは契約締結からわずか16週間で設置が完了し、2020年のクリスマスに間に合うように準備されました。

新システムの価値はすぐに証明されました。「もう注文処理に多くの人員を割く必要はありません。一人のオペレーターがすべてのプロセスを設定でき、今では在庫がある限り注文を100％翌日配送しています」とJoyce氏は説明します。実際、AutoStoreシステムの導入により、注文処理能力は、以前の目標であった1時間あたり10件から、1時間あたり平均40件に増加しました。

Direct Soccerはさらに、運用開始1年目で、床面積、人件費、エネルギー費を23万5,000ユーロ以上節約しました。その上、合理化されたAutoStoreのソリューションにより、Direct Soccerはスタッフを2人追加雇用する必要がなくなり、コロナ禍以降の市場に合わせて規模を拡大する際にもコストを抑えることができました。

システムの機能

AutoStoreシステムは、モジュール式で高度にカスタマイズ可能なアルミレールのグリッドを中心に構築されており、それに沿ってロボットが移動し、垂直に積み重ねられたビンから物品を取り出し、分類し、追跡します。

グリッドは、17種類の標準化された交換可能なコンポーネントを使用して、あらゆる寸法とレイアウトの施設に対応するようにカスタマイズできます。これらの特質は、倉庫の床面積の大きさや形状に問題がある企業にとって、この自動倉庫ソリューションが主要な選択肢となる理由の一つです。

Direct Soccerの新システムは、7台のロボットと8,000個のビンで構成され、占有面積は約210㎡です。これは利用可能な床面積の4分の1以下であり、手作業のみのシステムで必要とされる面積1,133㎡の5分の1以下です。また、2台のConveyorPort1台のCarouselPortが搭載されており、ピッキングの大部分がここで行われます。将来的には、システムを拡張して16,000個のビンを運用する予定です。

Direct Soccerの全自動倉庫は24時間365日の稼働が可能で、通常の営業時間外でもロボットが定期的に充電して注文を処理し続けています。「毎夕5時か6時ごろ、ロボットが翌朝の出荷準備をしているのを聞くと、嬉しくなります」とブライスは言う。「みんなが帰宅している間も業務が進行しているというのは、とても心強いものです」とブライスは言う。

プロジェクトの仕様

設置タイプ既存敷地
設置を含むプロジェクト全体の期間：4ヶ月
WMS: eManager
ロボット:7台
ビン：8,000個
ポート：CarouselPort1 台, ConveyorPort2台
その他： Pack-out Station2台
パートナー ： Element Logic