ケーススタディ

TTI社

TTI社、高密度の倉庫自動化ソリューションで市場の変化に対応

USA
業種
製造
パートナー
Swisslog社
目次
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パンデミックでサプライチェーンの混乱が生じていたとき、3PL電子機器販売業者のTTIには立て直しの計画が必要でした。同社は、高密度のG2P(Goods to Person)システムであるAutoStoreを導入することで、保管容量を拡大してフルフィルメントプロセスを円滑化し、サービスの品質を損なわずに成長を続けることができました。

360
1時間あたりのピッキング件数
400万
立方フィート
保管容量
50%
ピッキング速度の改善率

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TTIは、家電製品から自動車に至るまで、さまざまな状況で使用される受動部品、コネクター部品、電気機械部品、個々の電子部品の分野をリードする販売業者です。同社は2017年の設備改善プログラムの一環として、5つの倉庫をテキサスの1つの中央施設に統合しました。この施設は、当初の水平回転式システムに代わる自動化フルフィルメントシステムに十分なスペースが確保されるように設計されています。

TTIは世界中で高い信頼を得ている販売業者であり、日付コード、ロットコード、メーカー認証など、特定の顧客要件に基づいて在庫を管理する、信頼性のあるソリューションを必要としていました。また、大きな需要とビジネス成長の継続に対応できる技術でなければなりませんでした。

TTIはさまざまなシステムを検討した結果、Swisslogが提供するAutoStoreを採用しました。2022年に導入されたAutoStoreシステムは、TTIが活発な物流事業を維持するために必要な保管密度、スピード柔軟性、拡張性を備えています。

TTIのNorth American DistributionのVice PresidentであるHobey Strawn氏は次のように述べています。「自動化技術の選択では多くの要因に影響を受けましたが、自動化自体を決断した理由は非常にシンプルでした。弊社では、すさまじいペースで成長する中で、顧客体験を維持する必要があったのです。」

迅速な影響力

TTIの計画と改革により、感染症の流行時に対する備えは万全になりました。当時多くのメーカーが、備蓄製品についてジャストインタイム戦略からジャストインケース戦略に移行し、今後の混乱による影響を最小限に抑えていました。一方、あらゆる業界で電子部品の需要は伸び続け、設備に対する圧力に拍車がかかりました。

AutoStoreにより、TTIは新たな製品ラインの追加を続けていても、約220,000のSKUを処理できるようになっています。また、このシステムにより、世界最大級の工業メーカーからの小口オーダーやフルパレットなどの大量のオーダーを受けて当日出荷する能力が強化されています。

Strawn氏は次のように述べています。「ニューヨークのお客様と同様に、ロサンゼルスのお客様にも効率よく出荷できるようにしたいと思います。

深夜に入るオーダーにも対応できる必要があります。特に昨今のサプライチェーン事情では、スピードが重要です。」

カスタマイズされたピックトンネルソリューション

AutoStoreシステムは、アルミ製の枠組みでできた保管グリッドなどの5つのモジュールで構成されており、どのような倉庫レイアウトにも合うように構成できます。TTIのシステムは、グリッドの中央にピックトンネルがあるように設計されています。大規模な施設でもロボットのパフォーマンスやスペース効率を最適化できるオプションです。

AutoStoreシステムの規模が小さく、ロボットがグリッドを移動する時間がそこまで問題にならない場合、ポートはグリッドの外周に配置されるのが一般的です。それに対し、TTIのようにSKUが多く大容量のシステムでは、スピードとスペースの効率が最も重要です。

このトンネルはシステムの中間に位置し、グリッドの下を端から端まで貫通しています。このような戦略的な配置により、ロボットの移動距離が半分で済み、ビンの取り出しと受け渡しにかかる時間が大幅に短縮されます。

テキサスのTTIのAutoStoreワークステーション
TTIのAutoStoreグリッドは、中央にピックトンネルがあるように設計されており、大規模な施設でもロボットのパフォーマンスとスペース効率を最適化できるオプションです。

AutoStoreワークステーション(ポート)は保管エリアに直接組み込まれており、どのポートでも迅速なビンの受け渡しと100%のオーダー集約が可能です。このトンネルでは、ワークステーション用のスペースを増やすことで処理量を向上させ、作業員がインバウンドとアウトバウンドの在庫を処理できる場所が拡大します。TTIのピッキングポートはトンネルの両側にあり、棚入れポートはグリッドの外周にあります。

Strawn氏は次のように述べています。「AutoStoreシステムの設計は、スペースを最大限に活用するのに必要な密度を備えていました。さらに、すべての作業員がシステム内のどの部分にもアクセスできます。これは大規模な複数ラインのオーダーに対応するうえで重要です。また、ピッキングステーションでオーダーを集約することも可能です。」

ConveyorPort内の仕切り付きのAutoStoreビン

複数のSKUに対応するように、約135,000個の330mmビンをそれぞれ細かく分けることができるため、さらに柔軟にオーダーを集約できます。

Distribution OperationsのSenior DirectorであるAaron Hein氏は次のように述べています。「ビンを分類し、同じビンに複数の品番を入れることで、AutoStoreシステム内の密度をさらに高めることができます。」

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適切なパートナー

TTIでは系列会社内での実際の経験に基づき、AutoStoreシステムとSynQソフトウェアを統合するためSwisslogを選択しました。このソフトウェアは、ロボットによるビンの取り出し、オーダーの割り当てと優先順位付け、分類、発行を最適に制御します。

過酷なスケジュールでしたが、SwisslogとTTIは提携し、SynQとTTIの倉庫管理システム(WMS)の統合を成功させるなど、システムを予算内で予定どおりに導入することができました。

Strawn氏は次のように述べています。「SynQは、弊社史上初めて倉庫作業に使用されたサードパーティーのソフトウェアです。お客様の重要なデータと製品は連動してサプライチェーンを流れる必要があり、そのデータの整合性を維持するには、弊社システムとSynQをスムーズに統合する必要がありました。Swisslogによる導入が非常にうまくいったため、予定通りに生産オーダーを完了させることができました。」

Strawn氏は次のように続けました。「弊社の作業員は、SynQソフトウェアが使いやすく直感で理解できると感じています。ピッキングの速度は、既存のG2P(Goods to Person)に比べすでに50%向上しており、今後もさらに改善する予定です。AutoStoreとSynQを使うことで、以前よりも迅速かつ効率的にサプライヤーからお客様に品物を届けることができます。」

従業員にとってのメリット

GTP技術に基づくAutoStoreは、製品を倉庫の作業員に渡します。その逆はありません。74,322平方メートル(800,000平方フィート)のTTIの施設内で働く作業員にとって、人間工学に基づいた産業用ワークステーションがあることは非常に有用です。ピッキングや補充などのフルフィルメント作業がすべて自動化され、各ポート内で行われます。このためチームメンバーは、長い距離を歩いたり重いものを持ったりする負担から解放され、正確で効率的な処理に集中することができます。

AutoStoreワークステーションで商品をピッキングするTTIの従業員

Hein氏は次のように述べています。「5ポンド、10ポンド、20ポンドとさまざまな大きさの箱を扱う作業を1日6~7時間行いますが、今ではどれもすべて腰の高さにあります。」

さらに、SynQの直感的なタッチスクリーンインターフェースで技術の習得や操作も簡単です。作業員はTTIの水平回転式フルフィルメントシステムに慣れていますが、これがAutoStoreに徐々に置き換わっていくことに関心が集まっています。

TTI物流センターのAutoStoreロボット

Hein氏は次のように述べています。「最近では、トレーニングを始めてAutoStoreに慣れてきた従業員がどんどん増えており、短期間ですでに効果を実感しています。」

「(従業員は)AutoStoreが置いてあるゾーンにやって来たり、そのゾーンへの配属を希望したりしています。AutoStoreシステムの推進に拍車がかかるので、良い傾向です。」

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今後の計画

TTIでは近々、新しい製品ラインに対応するため、既存のグリッドの隣にAutoStoreを拡張する予定です。同社は次の構築段階でも、保管とフルフィルメントに既存のグリッドを引き続き使用します。AutoStoreの拡張性と柔軟性に優れたモジュール式設計により、このような段階的な構築をダウンタイムなしで行うことができます。Strawn氏は次のように述べています。「壁を壊したり、別の倉庫を用意したりせずに業務を拡大できます。」

Strawn氏は次のように続けました。「AutoStoreを選んだ主な理由のひとつに、機能をほぼ停止させることなく、成長に合わせて拡張や増設が可能な点があります。」

メリット  

  • 高密度の保管:自動化により、施設内の全体の保管容量が113,267立方メートル(400万立方フィート)に増加しました。  
  • プロセスの効率化:各作業員がAutoStoreシステム内のすべての製品にアクセスできることで、ピッキング速度が向上し、ピッキングステーションでオーダーをまとめることや、補充とピッキングを同時に行うことができます。
  • 従業員の福利厚生:新たなGTP自動化システムにより、製品が従業員に受け渡されるため、歩く距離が減り、持ち上げの負担が軽減されます。
  • リスクの軽減: 自動化システムは、単一障害点を最小限に抑えることで高い可用性を実現します。点検でロボットをオフラインにする必要がある場合でも、システムは引き続きすべての製品にアクセスし、どのピッキングステーションでもサービスを提供できます。  
  • 正確な在庫管理: SwisslogのSynQソフトウェアは、AutoStore内の在庫を正確に管理するため、TTIでは日付コードや製造国などに基づいてお客様の製品要求に応えることができます。
  • 一貫した顧客体験:TTIが成長するには、優れた顧客体験の提供が不可欠となっています。同社は、成長する中で自動化によって顧客体験を維持できます。
  • シームレスな拡張: AutoStoreシステムは拡張が容易なため、今後もお客様へのサービスを中断することなく、保管容量や処理能力を拡大できます。

プロジェクトの仕様

設置タイプ:ブラウンフィールド
WMS:
SynQ
ビン:
135,000個
ポート:
24台のピッキング用ConveyorPort、4台の棚入れ用ConveyorPort
ロボット:60台のR5
パートナー:
Swisslog

「AutoStoreを選んだ主な理由のひとつに、機能をほぼ停止させることなく、成長に合わせて拡張や増設が可能な点があります。」

Hobey Strawn氏
TTI、North American Distribution、Vice President

「(従業員は)AutoStoreが置いてあるゾーンにやって来たり、そのゾーンへの配属を希望したりしています。AutoStoreシステムの推進に拍車がかかるので、良い傾向です。」

Aaron Hein氏
TTI、Distribution Operations、Senior Director

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